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『写楽』、島田荘司『このミス』ベスト10上位復活に驚きかつ喜ぶなど

新年久々に本屋に行ったら、
いかに久々に本屋に来たかわかりました。

『このミス』
を年が明けてから買うことなんて、
創刊以来初めてではないか。

このミステリーがすごい! 2011年版このミステリーがすごい! 2011年版
(2010/12/10)
『このミステリーがすごい!』編集部

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80年代末から毎年買い続けて20冊+、
このところミステリーいまいちだし、
もういいかなと思っていたのですが、

何と立ち読みしたら
島田荘司『写楽~閉じた国の幻』が2位に入っているではないか。
これは買うしかないではないか。

写楽 閉じた国の幻写楽 閉じた国の幻
(2010/06)
島田 荘司

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あの大傑作『奇想天をゆるがす』(89年)だって3位、
勝るとも劣らぬ大作『水晶のピラミッド』(92年)だって5位でした。

続く『眩暈』『アトポス』や『龍臥亭事件』はベスト10外だったと思うし、
21世紀以降の『ロシア幽霊軍艦事件』や『ハリウッド・サーティフィケケート』『UFO大通り』
なんてほとんど注目されていなかったのでは。

巨匠めちゃ久々の復活。
しかも2位は過去最高位に違いありません。
いったい何があったのか『このミス』。

写楽というテーマの勝利なのか。

ずっと前に書いたけれど、
『写楽~』は(結果的に)続編を想定したかの
未完成な作品で、作者の「過去最高」作品とは思えない。

写楽の謎解きとか面白いけど。
『このミス2011』をよく検討してみよう。

とはいえ島田荘司チャート復活はよかったよかった。


あと
『黒澤明集成』の何と別巻が出ていたので
1~4巻を買った手前これも買う。買わざるを得ないというか。
高いし、シナリオ集だし、かさばるし、つらいところですが。

そういえば
年末、高嶺秀子さんが亡くなりました。
ご冥福をお祈りします。

自伝『わたしの渡世日記』は
映画人が書いた最も面白い本のひとつに間違いありません。
黒澤明とのエピソードを含め、
すべてが率直かつ時にあっけらかんと語られています。
名文家です。

わたしの渡世日記〈上〉 (文春文庫)わたしの渡世日記〈上〉 (文春文庫)
(1998/03)
高峰 秀子

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わたしの渡世日記〈下〉 (文春文庫)わたしの渡世日記〈下〉 (文春文庫)
(1998/03)
高峰 秀子

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テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

島田荘司『写楽~閉じた国の幻』最大の謎は何か

ようやく読みました、島田荘司さんの『写楽』。
先月(6月)下旬のパリ往復の機内で読むつもりが、映画ばかり観ていたので。

往きは『スラムドッグ・ミリオネア』『ハートロッカー』『インヴィクタス』と2度目の『チャップリン』前半。
帰りは『パリより愛をこめて』『チャップリン』後半であとは爆睡。

では『写楽』ですが・・・

写楽 閉じた国の幻写楽 閉じた国の幻
(2010/06)
島田 荘司

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冒頭、
「極端なデフォルマシオン、このような顔の人間が実際にいるはずもない」「いわば醜女の図」
という肉筆画の発見が提示されます。

ついで
パーキングメーターの小さな事故と回転ドアの大きな事故が連鎖します。

二つの事故の裏には、
「まじめな日本人がつい陥りがちな、文化的、それとも民族的な」「そうした普遍的な問題点が、介在」
しています。

さらに
「日本の回転ドアの技術は、もともとはオランダから入ったもの」
であると語られ、

「日本人にはとうてい見えない」「異様なまでの美人」
の東大工学部教授はオランダ語を理解し、冒頭の絵の謎の一部を解いて見せます。

こうして
「閉じた国の幻」という、意味ありげなタイトルの示唆するものがそれとなく輪郭を見せ始めます。

重なるように、
少なくとも百四十点余を寛政の十か月間にすべて書きあげ、忽然と消えた絵師写楽の最大の謎、作者にとっての「これこそが写楽事件」が、ゆっくりとテーマを奏で始めます。

写楽が誰であろうと
「なぜのちに本人が、実は自分が写楽であると言わなかったのか」
「またこの謎の絵師のふるまいの一部始終をすぐそばで見ていたはずの(中略)誰一人として、その正体について話していない」
のはなぜか?

そして物語はやがて、
現代編から江戸編へと転じていきます。
蔦屋重三郎が生きて歩き回っています。

おお、なんとすばらしい。

これはかつて作者が、傑作『水晶のピラミッド』や『龍臥亭事件』を生んだと同じ構成ではないか。
前者は古代エジプトと、後者は戦前の「津山三十人殺し」の事件と現在が自在に行き来する物語です。

水晶のピラミッド (講談社文庫)水晶のピラミッド (講談社文庫)
(1994/12/07)
島田 荘司

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龍臥亭事件〈上〉 (光文社文庫)龍臥亭事件〈上〉 (光文社文庫)
(1999/10)
島田 荘司

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しかし・・・

ここから先は大きな意味でネタばれかも知れないので、本編または「後書き」読了後読んでくださいね。

そうです、
本書には珍しくも著者自身の「後書き」があります。

さらに珍しくも、
この「後書き」は作者の手の内を丸ごと曝した呆れるほど率直なものです。

まず、
本書の週刊新潮連載開始を決めた時点で、作者の推論を裏打ちするはずの史実は必ずしも確かめられていなかったようです。
(この刺激的な「推論」そのものについては、ここではあえて何も書きませんが)

それでも多忙な中に写楽の時間を割くために
「以前から長編を乞われていた新潮社に自ら雑誌連載を申し込み」「いやでも書き始めなくてもいけない態勢を作った」

そして、
「寛政六年(一七九四年)の写楽現象」というその史実自体の検証と説明に、「千枚近い紙面が費やされ」た結果、
「とうとう裏面のストーリーは、一行も書けないまま、こうして提出の運びとなった」

「連載開始前、見えている物語の背後に、裏面のストーリーをしっかり作りこんでいたのだが」
と書かれているストーリーです。

「今回発表のストーリーと併せて俯瞰すれば、到底一冊の小説本に収まりきるものではない」
「『閉じた国の幻Ⅱ』が支えられるだけの物語は、すでに背後にある」

現状、本書は未完であるという告白にも読めます。

であれば、
未だ書かれていないもうひとつの物語こそ、本書最大の謎ということになりましょう。

そこでは
冒頭の発見された肉筆画や、悲惨な事故のその後、異様なまでに美しい大学教授といった、配置済みのエピソードやキャラクターが絡み合って史実に負けないドラマが生まれ、

江戸編と相俟って
本書を『水晶のピラミッド』並みの時空を往来する大パノラマへと展開させていくのでは。

読者のわがままとしては、
作者のいう続編よりも、いつの日か「完本」の出現を期待してしまうところであります。
それがどれほど厚く重くなっても。

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

島田荘司「写楽~閉じた国の幻」がおもしろそうだ!

明日から数日間パリです。

長い空の旅に一番大切なのは持っていく本ですが、今回は一昨日書店で酔眼で発見して購入した
島田荘司「写楽~閉じた国の幻」(新潮社2010.6.20)があるから楽しみです。(*7月4日追記↓)
久々の写楽本です。
ハードカバー730グラムと重いのが困りものですが。

100620_195751.jpg

写楽 閉じた国の幻写楽 閉じた国の幻
(2010/06)
島田 荘司

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あとは新書や文庫で
四方田犬彦「『七人の侍』と現代」(岩波新書2010.6.18)150グラム
イアン・エアーズ「その数学が戦略を決める」(文春文庫2010.6.10)240グラム
ですが、前者はとある理由であまり面白くないと思うし、
後者は昨夜パラパラ読んだが買うほどのこともなかった。
原題は「数字で考えることこそ現代の知恵」みたいな意味で、
こういう本はつい邦題にそそられますが、書店で原題を確認すべきでありました。
ぼくは「数学」本に弱いので。
数学は弱いが、数学にまつわる本は好きということですが。

以前「数学的にあり得ない」というミステリーをやはり衝動買いしたことがあって、これは面白かったけれど。
原題「improbaleなんとか」直訳といえば直訳なのですが、訳者がえらいと思ったものです。

では、荷造りを始めます。



*7月4日追記―「写楽」読みました。「島田荘司『写楽』最大のナゾは何か」アップしました。

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

雑木林進&ぽぽぱんち

Author:雑木林進&ぽぽぱんち
日々の旅人とその番犬たち。
1986年、ジャズ批評誌掲載の「50年代はなぜエライ」「『ジャズ大名』におけるジャズ・フェスティバルの生成」などでスルドくデビュー。2010年より、同誌に編集部新着本全紹介「ジャズは手に取って読め!」連載開始。新ジャズ雑誌「ジャズジャパン」創刊号(2010年8月)より、古今東西ジャズ本紹介「ジャズは本棚に在り」連載開始。
aka 行方均(レコード制作者)
最近の一句;
本積んで/読み齧る人/齧る犬
墨東の/タワーひとりで/たけくらべ

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